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Japanese female street artist, Shiro One, paves a unique path. 日本人女性ストリート・アーティストShiro Oneのユニークな草分け。

January 18, 2018

 

Read the original article in English at The Lily.

 

 

「人生は瞬間瞬間が貴重なの。お祝いしないと

Photography: Conor Lamb

 

 

ブルックリンにあるコインランドリーのリンズ店の側、撮影中に顔の前にピースサインをかざすShiro One。24時間営業のこのお店の壁に今にも飛び出そうな彼女の絵が一面を覆い尽くす。頭上にはZ路線がガタンゴトンとフラッシング・アベニュー駅に向かってこのコンクリートジャングルを揺すり動かす。そして彼女が言う。

 

 

「私って、野生動物みたいに生きている」

 

 

迷彩柄のジャケットに、キャットアイ・フレームの黒縁メガネをかけている。

 

 

ほとんど男性しかいないグラフィティとストリート・アートの業界。その中、自作を通じて自己主張をする女性アーティストの数は増えている。そしてShiroはその一人。静岡県の港町、焼津市出身の看護師あがりの壁画家である彼女は、若さの割には実に多くの経験を積んでいる。最近、世の中の女性にどうしたらもっと可能性を与えられるか、その方法を模索しながら先駆的な活動を続ける。

 

 

 

 

 

自分のなまりを気にしつつも、「女性は自分を失いやすい。結婚しなきゃとか、子供を産まなきゃとか。どうしたらいいか迷う」とやや恥ずかしそうに言う彼女。

 

 

Shiroは、若い頃に感染したおたふく風邪の影響で右耳が聞こえない。しかしその障害のおかげで、自分の独特さを受け入れ、自信を持てるようになったと言う。彼女の性格もまた、日本の保守的な文化の中で作り上げられたものであると同時に、それに対する拒否反応からできている。時々ふるさとを恋しく想う時もあり、うまいラーメンを食べ、温泉で癒されたい時もあるそう。

 

 

しかし、自分は「うるさいほどに」自由、自立している事から、従来の日本が描く女性像にも当てはまるわけではない。「人生は瞬間瞬間が貴重なの。お祝いしないと。」と言う彼女。アメリカでは、女性に向けられる態度や姿勢は日本とは少し異なっていても、やはり同じく、まだまだ難解だ。

 

 

2017年は特に男性による性非行や性的暴行が多く見られ、アメリカにとって一つの転換点であった。アメリカにおいて女性が受ける社会的待遇にまつわる課題が未だに数多く残っている事を思い知らされた一年となった。プロとして高姿勢なキャリアを持つ女性が、同業界人から「物扱い」されるといった事件もメディアに取り上げられ、国全体として憤りが増している。「そんな女性たちでさえまだあんな扱いさられる世の中じゃ、一般的な女性会計士や、ジャーナリスト、ストリートアーティストなどには、一体どんな事が起きているんだろう」と疑問をあらわにする人が多くなっている。

 

 

 

 

 

ではサブカルチャーにおいてどうだろう。グラフィティにおいても、当初から女性も参加していた文化であったとはいえ、女性問題が存在しないとは言い難い。これについてグラフィティ・アーティストのクローディア・ゴールド、通称「クロー・マニー」はこう答える。

 

 

「アメリカのメインストリームの世界と同じことよ。まともに相手にされるために戦っている」

 

 

ゴールド氏は、アメリカでは最も有名なストリート・アーティストの一人であり、タグで壁一面を埋め尽くすという彼女特有の「ボミング」スタイルで名を知られるようになった。その知名度を生かし、「クロー・マニー」をアパレルブランドにまで拡大させていき、NIKEやNASCAR (全米自動車競走協会)、マウンテンデューなど、大手ブランドと提携関係を持つようになった。ゴールド氏曰く、これらの会社は彼女のような「不良女子」を探し求めていたとか。しかしこういったキャリアは家族にはあまり理解されていないそうだ。

 

 

「母が言ってたの覚えてる。”医大に行きな。コロンビア大学のあの階段にでも座ってみてごらん”ってね。でも私は ”お母さん、どこかの医者の妻なんかごめんよ”って言い返した」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし重要なのはそこじゃない。ゴールド氏は、女性に権限や活力を与える事が自社の本来の目的であり、自分の「極秘の使命」である。Shiroもまた似たような使命感を抱えており、ファションにも手を伸ばしている。自分の作品をうまく商売する事によって、自分と同じように一笑に付されたり、すみに追いやられたりと、軽視されてきた女性たちに語りかけ、力になりたいという。

 

Shiroの場合、そういった「軽視」は時にはさり気なく、また多くの場合は明らかな無礼という形で現れる。「例えばアートイベントでは時々 ”君は誰の彼女なの?” と聞いてくる人がいて、“違います。グラフィティ・アーティストです” って返すんだけど、本当は “このくそやろう。どれだけ強いか見せてやるわ” って感じ」。こういう場面を逆にモチベーションに変えているそうだ。

 

 

また、描こうとした場所を他のアーティストにとられた事もあり、初めてニューヨークを訪れた時、クイーンズで若者の集団に銃を向けられ、スプレー缶を盗られそうになった経験も。

 

 

「フレンドリーな文化とは言えないね。なんせ犯罪者とのやりとりが多いし」

 

こう語るのは、グラフィティ文化のルーツを探るドキュメンタリー映画『Wall Writers』の監督、ロジャー・ガストマン。

 

 

ガストマン監督はストリート・アーティストのコミュニティーの最新情報を知り尽くしている人物である。主に違法なグラフィティに注目している彼は、現在活動している女性グラフィティ・アーティストが占めている割合は全体の5%以下であると予想。それでも街頭にペイントを散らし、コミュニティー全体に積極的に貢献している女性はいないかと常にアンテナを張っている。

 

 

Shiroはボミングする事をとっくに前にやめ、法に触れないアートや商業プロジェクトに切り替えた。実際にGapやNBAといった大手組織ともコラボを果たしている。それでも作品には、世の中を揺さぶりたいという気持ちが1ミリも欠けていないと捉える彼女。その反骨精神は壁画や自作によく登場するMimiというキャラクターがかまし出す「性」については特に当てはまる。

 

 

 

 

Mimiは色々な姿を持つ、ベビーフェイスの艶かしい女性。ある時はクフィー帽をかぶったアフロ系女性。ある時は翼の生えた青い悪魔。Shiroが手がけたニューヨークに敬意を表す最大の作品はブルックリンの一角にそびえ立つこのランドリー店の壁画である。この作品のMimiは緑青で覆われ、大きな輪っかのピアスをした自由の女神で登場し、ニューヨークのイーストリバーから魚を飛び跳ねさせている。

 

 

Mimiのセックスアピールが大げさに描写されているのは人目をひくため、場合によっては人の気に障るためでもあるとShiroも認める。「胸を大きく描くと目がいっちゃうでしょう?」。ヒップホップ文化は大概そうだが、性的自由と女性の自由運動は相伴うものだ。

 

 

彼女の作品は決して万人受けではない。本来きわどくて冒険的なパフォーマンス・アートであるグラフィティ・ライティングに比べれば、Shiroの事を「ただ綺麗な絵を描く人」というイメージを持つ人もいる。しかしその一方、彼女の作品はヒップホップの基本要素を有効的に、しかもアジアン風のフィルターを通してユニークに表現されているという声も。

 

 

「彼女はすごい才能の持ち主だ」

 

 

こう語るのは、70年代から地下鉄の車両にタグをし続けてきた伝説の男エンリケ・トレス AKA Part One。これぞプエルト・リコ系ニューヨーカーの彼は、スパニッシュ・ハーレム地区にスペイン語を話す人がまだ誰も住んでいない頃から住み、当初は独学でタグの技術を身につけた。

 

 

Part OneはShiroを教え子にし、彼女のタグの描き方に大きな影響を与えた。そのタグは、もう一つのあだ名であるBJ46と揃ってほとんど全ての作品にのせられている。

 

 

「俺は彼女の手柄を認める。だって初めてこっち(アメリカ)来た時なんか、彼女にとって新しくないものは一つとしてなかったぜ」

 

 

夢を追いかけずに日本に残るという選択肢ももちろん彼女にはあった。しかし、ありのままの自分を受け入れるきっかけとなった自分の母親にShiroは感謝している。小学校時代にまわりの子供たちに疎外され、孤独感を味わっていた時も、母の決まり文句に助けられた。

 

 

「お母さんはいつも “ユニークであるのは良いことだよ” って言ってた」

 

 

おかげで「よっし、これが私、私はユニークだ」と開き直ったそうだ。

 

 

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Shiro One BJ46

 

http://shiro.bj46.com/

 

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Original Text: Anthony RIVERA

 

Photography: Conor Lamb

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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